ディスポーザーは戸建てに設置できる?費用と条件まとめ

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生ゴミをそのまま排水口に流せる便利なディスポーザーは、マンションで人気の設備の1つとして知られていますが、戸建てでも設置することは可能です。

ただし、自治体によっては、ディスポーザーは禁止されているところも多いので、注意が必要です。

そこでこのページでは、ディスポーザーを戸建てに設置する上で知っておくと役立つ情報をご紹介していきます。

  1. 戸建てにディスポーザーは設置できるの?
  2. 戸建てにディスポーザーを設置するための条件
  3. ディスポーザーを戸建てに設置するための費用
  4. ディスポーザーと生ごみ処理機との比較
  5. 戸建てのディスポーザーは交換できる?

このページを読むことで、ディスポーザーの設置を検討する際に必要な知識が身につくでしょう。

1.戸建てにディスポーザーは設置できるの?

戸建てにディスポーザーを設置することは可能です。ただし、自治体(市町村)によっては、設置できない場合があります。

ディスポーザー設置の条例は自治体によって異なり、大きく分けて下記の3つの方針があります。

  1. ディスポーザー単体で設置が可能
  2. 排水処理システムを設置すれば可能
  3. ディスポーザーの設置は禁止

ディスポーザー単体で設置できる地域は限られており、ディスポーザーと併せて排水処理システムを設置することが条件となっている自治体が多いです。

また、下水処理設備が整っていないことにより、ディスポーザーの設置を禁止している自治体もあります。

そのため、まずは自治体に直接連絡して確認するか、「ディスポーザー ○○市」などでネット検索して自治体のホームページで条例の確認を行ってください。

1-1.ディスポーザー単体で設置が可能

ディスポーザー単体で設置できる場合は、約10万円程度で取付けできます。

【費用の内訳】
・ディスポーザー本体:約7~10万円
・設置工事費用:約3万円

設置できるディスポーザーの機種や設置工事業者は、自治体で指定されている場合が多いので、しっかり確認してから依頼するようにしましょう。

ただし、ディスポーザー単体で設置をすると、下水が詰まりやすく、水の逆流や、水道管のトラブルに発展することもあるので、あまりおすすめしません。

1-2.排水処理システムを設置すれば可能

ディスポーザーを設置する条件として、排水処理システムの設置を義務付けている自治体は多いです。

排水処理システムを設置するためには、各自治体への届出や維持管理の計画などが必要です。

詳細は、「2.戸建てでディスポーザーを設置するために必要なこと」でお伝えしますが、無断で設置した場合は、設置者と施工業者が条例に基づき処分されることがあります。

1-3.ディスポーザーの設置は禁止

自治体がディスポーザーの設置を禁止している場合は、設置ができません。

このパターンに該当する方は、「4.ディスポーザーと生ごみ処理機との比較」を参考に、生ごみ処理機の導入を検討してみてください。

2.戸建てにディスポーザーを設置するための条件

戸建てに限らずディスポーザーを設置するには、下記の3つの条件を満たす必要があります。

  • 排水処理システム(浄化槽)の設置
  • 各自治体の下水道局への届出
  • 適正な維持管理

マンションの場合は管理会社が実施してくれていますが、戸建ての場合は、居住者が自分で用意する必要がありますので、それぞれ詳しく説明していきます。

2-1. 排水処理システム(浄化槽)の設置

ディスポーザーで生ゴミを処理する一連の流れは、下記のようになっています。

  1. 生ゴミをディスポーザーで粉砕
  2. 排水処理システム(浄化槽)に運ばれる
  3. 浄化槽で処理
  4. 下水に流される

すなわち、排水処理システム(浄化槽)がないと、下水道管が詰まったり、河川の水質悪化など環境汚染の原因となってしまいます。

そのため、ディスポーザーを設置する際は、排水処理システムの設置が義務付けられています。

※自治体によって、条例が異なりますので、自治体に直接確認するか、「ディスポーザー ○○市」などでネット検索して自治体のホームページで確認を行ってください。

2-2. 各自治体の下水道局への届出

ディスポーザーを設置するためには、各自治体で定められた書類の提出が必要になります。

無断で設置した場合は、設置者と施工業者は、条例違反として処分されることがあります。

届出には設置する製品や施工業者、維持管理の頻度や管理業者などを記載する必要がありますので、施工を依頼する業者と費用も含め入念に打ち合わせしておくことが重要です。

2-3. 適正な維持管理

排水処理システム(浄化槽)に溜まった汚泥を取り除いたりなど、システムの機能を正常に保つための維持管理をできることが設置する条件の1つです。

そのため、業者による定期的なメンテナンスが必要になります。

これは自治体に提出した書類(計画書)に基づいて実施する必要があります。

3.ディスポーザーを戸建てに設置するための費用

戸建てに設置できるディスポーザーは、大きく分けて「機械処理タイプ」と「生物処理タイプ」の2タイプあります。

それぞれの特徴と設置にかかる費用をお伝えしていきますが、生物処理タイプは、「排水処理システム(浄化槽)」の設置や管理・メンテナンスに費用がかかり過ぎるため現実的ではありません。

そのため、戸建てにディスポーザーを設置するなら「機械処理タイプ」を選択するようにしましょう。

  1. 機械処理タイプについて
  2. 生物処理タイプについて

3-1.機械処理タイプについて

引用:町田市ホームページ

機械処理タイプは、ディスポーザーで粉砕した生ゴミから固形物を分離・回収する固液分離装置によって、液体だけを下水道に流す仕組みです。

分離された固形物は、機械処理で乾燥させ、排水処理システムに溜まります。

そのため、排水処理システムは、キッチン下の収納部に設置され、溜まったゴミは定期的に自分で処分する必要があります。

機械処理タイプを設置する費用の目安

機械処理タイプのディスポーザーで使用されることが多い、「キッチンカラット」という商品を設置する場合の費用を目安としてご紹介します。

  • ディスポーザー本体の料金:約30万円
  • 設置費用:3.3万円
  • メンテナンス(点検):7700円(年1回実施)
  • チップの交換:990円(年2回実施)

3-2.生物処理タイプについて

引用:町田市ホームページ

生物処理タイプは、ディスポーザーで粉砕した生ゴミを、排水処理システム(浄化槽)で微生物の働きによって分解する仕組みです。

そのため、浄化槽は敷地内の地下に埋没して設置します。マンションに設置されているディスポーザーは、このタイプです。

ディスポーザーの取り付け以外に、排水処理システムの設置と、排水処理で溜まる汚泥の引き抜きを定期的に行う必要があります。このシステムを戸建に取り付けるためには莫大な費用が必要になります。

生物処理タイプを設置する費用の目安

  • ディスポーザー本体の料金:約7~10万円
  • システム工事費用(ディスポーザーと浄化槽の設置):約10~50万円
  • 排水処理システムの維持管理費用:年間10~30万円程度(1回あたり約2~3万円)

システム工事費用は、新築時の設置なのか既存住宅への設置なのかで費用が大きく変わります。

新築時に設置する方が、比較的安くなります。また、住宅環境によっても費用が異なってきます。

4.ディスポーザーと生ごみ処理機との比較

戸建てにディスポーザーを設置する条件と費用をご紹介してきましたが、排水処理システムが必要な場合は、設置するためのハードルが高いと思います。

そこで、ディスポーザーの設置が難しい場合の選択肢として、家庭で生ゴミを処理できる「生ごみ処理機」をご紹介します。

  1. 生ごみ処理機とは
  2. ディスポーザーと生ごみ処理機との比較

4-1.生ごみ処理機とは

生ごみ処理機は、生ゴミを堆肥に変えたり、乾燥させることによって、家庭の生ゴミを処理してくれる機器のことです。

生ごみ処理機は、据え置き型の電化製品ですので、設置の許可や届出は必要ありません。

また、値段はピンきりですが、安いものであれば1万円程度で購入できます。

生ごみ処理機もディスポーザーと同様に、微生物の働きを利用する「バイオ式」と、機械で乾燥させる「乾燥式」があります。

  • バイオ式のメリット・デメリット
  • 乾燥式のメリット・デメリット

そして、乾燥式とバイオ式の良い部分を併せ持ったハイブリッド式があります。

バイオ式のメリット・デメリット

バイオ式の生ごみ処理機の特徴は、堆肥を作ることができることです。

そのため、生ゴミを再利用して、家庭菜園やガーデニングの肥料として活用したい人にオススメです。

<メリット>
・堆肥ができる(家庭菜園に使える)
・電気代が安い

<デメリット>
・微生物が分解できないゴミは投入できない(硬いゴミや刺激物)
・独特のニオイが発生する場合がある
・屋外まで運ぶ手間がかかる

乾燥式のメリット・デメリット

乾燥式生ごみ処理機は熱風で生ゴミを乾燥させることで水分を蒸発させ、生ゴミを減量させることができます。サイズが小さく、価格が安い点が特徴です。

<メリット>
・コンパクト
・室内に設置できる

<デメリット>
・電気代がかかる
・処理されたゴミを取り出す必要がある

4-2.ディスポーザーと生ごみ処理機との比較

ディスポーザーを戸建てに設置する場合と、生ごみ処理機を使用する場合の比較を、表で簡単にまとめると下記のようになります。

項目
ディスポーザー
機械処理

生ごみ処理機
バイオ式 乾燥式 (ハイブリッド)
届出 必要 不要 不要 不要
初期設置費用 約30万円 3千~8万円 1~10万円 約11万円
ランニングコスト 1~2万円/年 バイオチップ代 電気代 電気代
工事 必要 不要 不要 不要
浄化槽の管理 自分 不要 不要 不要
生ゴミ処理の手間
臭い ×~◯
設置場所 シンク 屋外 屋内屋外 屋内屋外

また、生ごみ処理機は、自治体によっては、1〜10万円程度の助成金制度があるため、お得に手に入れられる可能性があります。

おすすめは下記の2つです。

おすすめの生ゴミ処理機について詳しく知りたい人はこちらの記事「全機種買って徹底比較!本当に人気でおすすめの生ゴミ処理機【2020年】」を参考にしてください。

生ゴミリサイクラー

  • 価格:¥69,084
  • 方式:乾燥式
  • サイズ:26.8*36.5*55cm
  • 最大容量:2kg/1回
  • 電力:800W
  • 音:44db

生ゴミリサイクラー』は、熱を加えて生ゴミを炭のような状態にする生ごみ処理機です。室内で使用することができます。

焦げ臭いような独特のニオイがする点がデメリットです。1~2週間ゴミを貯めて溜まったら取り出します。炊飯器のように、生ゴミをセットして、量に応じてモードを選択して使用します。

「ニオイや音が気になる」という口コミはありますが、値段もそこそこなので、ニオイや音に敏感でない人は生ゴミリサイクラーを選ぶと良いでしょう。

購入はこちら → [Amazon] [楽天]

生ごみ処理機を快適に使うならナクスル

  • 処理方式:ハイブリッド式(電動タイプ)
  • 価格:¥127,600
  • 処理容量:1kg~1.5kg/1日
  • サイズ:幅380×奥行43×高さ58cm
  • 電力:60W
  • 設置場所:室内用 (屋外も可)

ナクスル」は、価格は高めですが、室内用でニオイも出ず手間がかからないので、快適に使いたい人におすすめの商品です。

中身が増えないので、ゴミを取り出す必要はありません。初期コストは高いですが、電気代が安いので、乾燥式と長期的には大差がなくなります。

サイズは少し大きいですが、ニオイや面倒なことがない点を踏まえてもナクスルがおすすめです。

購入はこちら→[Amazon]

4-3.戸建てならディスポーザーより生ごみ処理機!

私がディスポーザーよりも生ごみ処理機をオススメする理由は下記の2点です。

①戸建てのディスポーザーはコストパフォーマンスが悪い

機械処理タイプのディスポーザーの年間コストを計算すると約4.5万円です。

<計算式>

(35万円+1万円×10年)÷10年=4.5万円/年

<詳細>

・初期費用:35万円
・メンテナンス費用:年間1万円
・耐用年数:10年

また、機械処理タイプは生ゴミを乾燥させるため、電気代もかかります。

さらに、ディスポーザーを詰まらせたり、故障した場合には、修理・メンテナンス費用が追加で必要になるため、コスパはよくないです。

②生ごみ処理機は届出が不要ですぐに使い始められる

ディスポーザーを設置するためには、費用だけでなく自治体への届出や設置工事などの手間がかかります。

それに比べ、生ごみ処理機は、購入したらすぐに使い始めることができます。

そのため、戸建てへのディスポーザーの設置は、生ごみ処理機の使用を試してみてから検討しても遅くありません。

5. 戸建てのディスポーザーは交換できる?

ディスポーザーの交換や取り外しは、それほど大掛かりな作業ではありませんので、業者に依頼すれば数時間でできます。

  • 戸建てのディスポーザー交換について
  • ディスポーザーの取り外しについて

戸建てのディスポーザー交換について

ディスポーザーが故障したり、耐用年数(寿命)によって動かなくなった場合の交換は、専門業者に依頼すれば簡単にできます。

費用の目安:約3万円(ディスポーザー本体の費用は別途かかります。)
作業時間の目安:約90分

ディスポーザーの取り外しについて

ディスポーザーを使わなくなったり、引っ越しの際などに、シンクから取り外し、元の状態に戻す作業は、専門業者に依頼すれば簡単にできます。

費用の目安:約2.2万円(復旧用の部材がない場合は追加費用がかかります。)
作業時間の目安:約50分

6. さいごに

このページでは、ディスポーザーを戸建てに設置する上で知っておくと役立つ情報をご紹介しました。

戸建てにディスポーザーを設置する条件は自治体によって異なりますが、「排水処理システム(浄化槽)」を併せて設置することを義務付けている自治体が多いです。

戸建てにディスポーザーを設置するなら「機械処理タイプ」の「キッチンカラット」を選択するようにしましょう。

あなたの暮らしがより快適になることを心から祈っています。

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